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フィギュアスケート選手が卵子凍結に挑んだ理由とは? 小松原美里さんの決断と今後の展望

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フィギュアスケートの世界では、競技力を維持するために、結婚や出産を遅らせることが多いと言われています。しかし、女性の生殖能力は年齢とともに低下していくのが現実です。そこで、将来の妊娠の可能性を高めるために、卵子凍結という選択肢を取る女性アスリートも増えてきました。

卵子凍結とは、卵巣から採取した卵子液体窒素で凍結保存することで、卵子の老化を防ぎ、将来的に体外受精や顕微授精などの不妊治療に利用することができる方法です。日本では2015年に厚生労働省卵子凍結のガイドラインを発表し、未婚や健康な女性でも卵子凍結が可能になりました。しかし、卵子凍結には高額な費用や副作用のリスク、成功率の保証などの課題もあります。

そんな中、2022年北京五輪に出場したフィギュアスケート選手の小松原美里さん(31歳・倉敷FSC所属)は、2023年7月に卵子凍結の手術を受けたことを公表しました。1小松原さんは、競技生活を続ける一方で、将来的に結婚や出産を望んでいるという想いから、卵子凍結に挑んだと語っています。

「私はまだ競技を続けたいと思っていますが、同時に将来的に家庭を持ちたいという気持ちもあります。でも、年齢的にも卵子の質が低下していくことは分かっているし、競技中はホルモンバランスも乱れやすいです。だから、自分の選択肢を広げるためにも、卵子凍結を決めました。後悔しないように自分らしく生きたいと思っています」(小松原さん)

小松原さんは、卵子凍結に向けて準備する中で、自身の身体やホルモンについて知る大切さを改めて実感したといいます。また、パートナーとのコンビネーションが重要なアイスダンスの競技者として、生理前や生理中の体調変化や不調に対する対処法やコミュニケーションも話してくれました。

「私は生理前は練習以外ずっと寝ていたり、身体がすごく熱くなったり、食欲も増すけど食事制限をしているのでストレスが溜まったり……。2体調が万全ではなく、練習をするのに必死で口数も少なくなってしまうので、パートナーやコーチを心配させないためにも『今は生理中なので、テンションがいつもより低くなっているかもしれないけど、気にしないでね』と伝えています。3アイスダンスの場合、パートナーとの関係がパフォーマンスに大きく影響してくるので、私は自分のコンディションを伝えて理解してもらうように心がけています。4これはスポーツの世界だけでなく、色々な場所でも同じことが言えると思うのですが、同じ女性でもPMSの悩みがまったくないという方もいれば、すごく苦しんでいる方もいる。5なので、『女性』という大きなくくりにするのではなく、それぞれ『個』として見るべきですし、必要なときには当事者が自身の状況を言えるような環境を周囲が作ってあげられればいいですよね」(小松原さん)6

小松原さんは、卵子凍結を公表したことで、多くの女性から共感や応援の声をもらったという。一方で、卵子凍結に対する誤解や偏見もあることを感じていると話します。

卵子凍結をしたからといって、必ずしも妊娠できるわけではありません。卵子凍結はあくまで保険のようなもので、自然妊娠や体外受精など他の方法も試してみたいと思っています。でも、卵子凍結をしたことで、将来的に妊娠するチャンスが少しでも増えるかもしれないという希望が持てました。私は自分の選択に後悔はしていませんが、卵子凍結をするかどうかは個人の判断ですし、それぞれに正解はないと思います。だから、卵子凍結をする女性やしない女性をどちらか一方に偏って評価することは避けてほしいです」(小松原さん)

小松原さんは現在、2026年ミラノ五輪に向けて競技生活を続けています。卵子凍結をしたことで、競技に対する気持ちや目標に変化はあったのでしょうか。

卵子凍結をしたことで、競技に対して楽しくやれるようになりました。以前は『今しかできないから』というプレッシャーを感じていましたが、今は『今やりたいから』という気持ちで滑っています。目標はやっぱりミラノ五輪です。パートナーの山本草太さん(28歳・倉敷FSC所属)と一緒に頑張っています。私たちはアイスダンスでは日本人初の五輪出場を果たしましたが、まだまだ伸びしろがあると思っています。日本ではアイスダンスがあまり知られていないので、もっと多くの人にこの競技の魅力を伝えたいです」(小松原さん)