こんにちは、今日は長野の山の上でパンと日用品の店「わざわざ」を営む主婦の話を紹介したいと思います。彼女はなぜ、公共交通機関もなく、何かのついでにぶらっと立ち寄ることもできない、山の上のパン屋を始めたのでしょうか。そして、そのパン屋はどうやって年商3億円の企業に成長したのでしょうか。
彼女が山の上に店をつくった理由は、単純です。「この場所の景色をお客様に見せたかったから」それだけです。彼女は山の上に登ったとき、それより高い山がもっと遠くに見える素晴らしい風景に感動しました。大地にまっすぐ道が伸びる様子は、北海道やヨーロッパの片田舎を思わせる牧歌的な風景でした。彼女はこんな風景を見ることができる人がもっと増えればいいと思いました。
そこで彼女は、ここに「来る理由」をつくるために、パン屋を開こうと決めました。しかし、それは簡単なことではありませんでした。まずは、ここにお店があることを知ってもらうために、告知を頻繁にしました。ブログを書きました。SNSを活用しました。美しい写真を撮りました。山の上に旗を立て、目印をつけるように、ひたすら手を動かしました。
そして彼女は、「どこでどう売るか」「何を売るか」「誰に売るか」という3つのことを考え続けました。場所と方法、商品、お客様の組み合わせです。彼女はものを売る場所のことを、ただの「プラットフォーム」だと考えていました。プラットフォームとはコンピュータの「基盤」を指す言葉ですが、「わざわざ」ではこれまでに、その基盤ごと乗り換えるということを何度も行ってきました。移動販売→自宅の玄関先＋マルシェ→実店舗＋オンライン。プラットフォームにこだわりを持たず、大胆に基盤を入れ替えたあと、大きくバウンドするように成長を重ねてきたのです。
彼女は自分が作り出した価値や魅力を伝える方法や場所を常に探求し続けました。そしてその結果、「わざわざ」行かなければいけない山の上のパン屋は、「わざわざ」行きたくなるパン屋に変わりました。
彼女の話から学ぶべきことはたくさんありますが、私が一番感銘を受けたのは、「来る理由」をつくることの大切さです。お客様が来てくれる理由は、自分でつくらなければいけません。そしてその理由は、自分の価値観や感動を伝えることにあります。彼女は自分の好きな景色をお客様に見せたかっただけでしたが、それが彼女のお店の最大の魅力になりました。
あなたも自分の好きなものや感じるものをお客様に伝えることができますか。あなたのお店や商品に「来る理由」はありますか。それを見つけて、伝えて、成長していきましょう。
