「肉の味を覚えてしまったヒグマ」の脅威 牛６６頭を襲ったＯＳＯ１８は「人間が生み出した」 対策班リーダーが警告、背景にエゾシカ問題（47NEWS） - Yahoo!ニュース
こんにちは。今日は、北海道東部で起きたヒグマによる放牧被害についてお話ししたいと思います。
北海道東部の標茶町と厚岸町では、２０１９年夏以降、放牧中の牛がヒグマに襲われる事件が相次いでいます。被害は６６頭にも及び、総額は２千万円を超えました。犯人は「ＯＳＯ１８」と呼ばれる雄のヒグマで、草木の根や木の実ではなく、肉の味を覚えてしまったとみられます。このヒグマは、下オソツベツという地区の名前と、発見された幅約１８センチの足跡から命名されました。
北海道庁や地元の役場などは「特別対策班」を結成し、ヒグマの捕獲を目指しましたが、警戒心が強いオソは現れず、張り込みや罠などの作戦は失敗に終わりました。「忍者」と呼ぶ人も出たほどです。私も一度、オソの足跡を見たことがありますが、その大きさと深さに驚きました。オソは体重が３００キロ以上あると推定されています。
ところが今年８月、意外な結末が待っていました。被害の出ていなかった町で７月に駆除された個体が、実はオソだったことが判明したのです。危機は回避され、酪農関係者は安堵しました。しかし、専門家は「オソは人間が生み出した。第２、第３のオソが出てきても不思議ではない。根本的な対策をしないと意味がない」と警鐘を鳴らしました。
オソは人間が生み出したというのは、どういうことでしょうか。ヒグマは本来、草木の根や木の実などを主に食べますが、人間の活動によってそのエサが減少したり、人間のエサに誘惑されたりすることで、肉食に傾くことがあります。また、放牧された牛は、ヒグマにとっては簡単な獲物です。ヒグマは一度、肉の味を覚えると、それを求めて繰り返し襲撃するようになります。オソはその典型的な例だったのです。
では、根本的な対策とは何でしょうか。ヒグマの生息地と人間の生活圏の境界を明確にすることが必要です。ヒグマにとってのエサを確保することも大切です。放牧された牛を守るためには、電気柵や監視カメラなどの設備を整えることや、夜間は牛舎に入れることなどが効果的です。また、ヒグマの生態や行動パターンを把握することで、被害を予防することもできます。
ヒグマは北海道の自然の一部です。人間とヒグマの共存は難しいかもしれませんが、できるだけ衝突を避けるために、お互いに理解し、尊重し合うことが大切だと思います。ヒグマに襲われた牛たちの冥福を祈ります。
