アメリカ政府はウクライナにクラスター弾を供与すると発表しました。クラスター弾は、弾の中にたくさんの“子弾”が格納されている兵器で、空中で子弾が広範囲にばら撒かれます。軽装甲の軍事車両や兵士には高い破壊能力、殺傷能力を発揮します。しかし、クラスター弾は一定のエリアを無差別に攻撃するため、「非人道的」という批判の声があります。さらに、子弾が柔らかな地面や水面に落ちると不発弾となり、民間人に被害が出るケースが確認されています。そのため、クラスター弾の製造、開発、貯蔵、使用、移譲などを禁止するオスロ条約に100カ国以上が加盟しています。
アメリカ政府はウクライナに「155ミリ榴弾砲で使用するクラスター弾」を供与すると発表しているため、合致する砲弾はM483A1か新型のM864になります。前者なら内部に88個、後者なら72個の子弾が格納されています。M483A1とM864の射程は約30キロです。
日本外務省のホームページによると、日本は2008年12月にオスロ条約に署名しています。しかし、アメリカ、ウクライナ、そしてロシアはオスロ条約に加盟していません。