「中国がダメなら他国に売る」が難しい納得理由――EU向けの基準に合わせた工場の設備投資が困難（東洋経済オンライン） - Yahoo!ニュース
こんにちは。今回は、中国が日本産水産物の輸入を全面停止したことについて、日本の対応策を考えてみたいと思います。
中国は、福島第一原発事故後に処理された水を海に放出する計画を理由に、8月24日から日本産水産物の輸入を禁止しました。これは日本の水産業にとって大きな打撃です。なぜなら、中国は日本の水産物の最大の輸出先であり、2022年には3873億円分の水産物を輸出していたからです。香港も規制を強化しており、両国で約4割のシェアを占めています。
では、日本はどうすればよいのでしょうか？一つの可能性として、欧州連合（EU）向けに輸出することが考えられます。EUは世界最大の水産物の輸入市場であり、福島第一原発事故後に導入した日本食品に対する輸入規制を8月に撤廃しました。イギリスも6月に規制を撤廃しています。これは日本にとってチャンスです。
しかし、そう簡単にEU向けに輸出できるわけではありません。なぜなら、EUは水産物に対する衛生基準や検査制度が非常に厳しいからです。例えば、EUでは水産物加工施設はEU認定工場でなければなりません。これはEUが定めた基準に合わせた設備投資や管理体制が必要ということです。また、EUではトレーサビリティ（流通履歴）やラベリング（表示）も重視されます。これらは消費者の安全や情報への権利を守るためです。
したがって、EU向けに輸出するためには、日本の水産業はEUの基準や要求に応えることができるかどうかがカギとなります。これは決して容易なことではありませんが、長期的な視点で見れば、品質や信頼性の高い水産物を提供することで、他の市場でも競争力を高めることができるかもしれません。
中国の水産物輸入停止は日本にとって大きな課題ですが、それを乗り越えることで新たな可能性を見出すこともできると思います。皆さんも水産物の輸出入について考えてみてください。
