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樺太の人喰い熊事件について

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樺太といえば、日露戦争後に日本が占領統治した大自然の宝庫です。1しかし、その美しい山々には恐ろしいヒグマが住んでおり、人間を襲うこともしばしばありました。今回は、昭和10年に起きた伊皿山事件という、ヒグマによって3人の登山者が喰い殺された凄惨な事件を紹介します。

伊皿山は南樺太北西部の鵜城村にある、標高約1100メートルの山で、高山植物が豊富でした。29月29日、鵜城村の洋服仕立て職人・宮澤忠三(47)、土工人夫・安田長次郎(31)、恵須取町の土工人夫・佐野忠策(31)の3人は、山つつじを採取するために伊皿山に登りました。3しかし、2日ぶんの食料を持って出かけた彼らは、そのまま帰ってきませんでした。

捜索隊は何度も入山しましたが、遭難者の痕跡は見つかりませんでした。当時の林務署長は、「あの山はどこへ登っても海が見えるから、海さえ目指せば古丹か円度へ降りられる。4熊もあんな高いところに住んでいないから、熊に殺されたとは考えられない」と語りました。5

しかし、10月13日、捜索隊はついに衝撃的な現場を発見しました。6熊笹の茂った険しい場所で、3人の頭蓋骨と熊の糞、外套の切れ端などが見つかりました。付近には鮮血にまみれた熊笹や木々が散らばっており、3人は巨熊に襲われて喰い尽くされたことが明らかでした。

この事件は南樺太全土を震撼させました。当時の雑誌や新聞にも多く取り上げられました。しかし、この事件は樺太庁管轄のため、北海道庁の統計資料に出てこないし、専門家の間でもほとんど知られていません。7

この記事では、ノンフィクションライターの中山茂大氏が、地元紙『樺太日日新聞』を通読し、データベース化したヒグマ事件をもとに伊皿山事件を詳しく紹介しています。樺太における人喰い熊事件は他にも多数ありますが、その中でも特に凄惨なものだったと言えるでしょう。

樺太は現在ロシア領ですが、かつて日本人が暮らしていた歴史を忘れてはなりません。また、ヒグマという生き物の恐ろしさと尊厳も認識する必要があります。伊皿山事件の犠牲者たちに哀悼の意を表しつつ、この記事を読んでみてください。