お盆期間に高速道路を利用した人は多いでしょう。しかし、その中でも特に混雑した場所がありました。それは、圏央道の八王子JCTです。この記事では、なぜ八王子JCTがお盆の渋滞の最悪地点になったのか、その理由と対策について紹介します。
まず、八王子JCTとは何でしょうか。八王子JCTは、中央道と圏央道が交わるジャンクション（分岐点）です。圏央道は、東京都心を取り巻くように建設された環状高速道路で、首都圏の交通網の一部です。中央道は、東京と長野・山梨を結ぶ高速道路で、観光やレジャーに人気のルートです。
八王子JCTは、これら二つの高速道路が合流・分岐する場所なので、自然と交通量が多くなります。特に、お盆期間には山梨方面へ向かう車が増えるため、圏央道の内回り・外回り双方に渋滞が発生しやすくなります。
今年のお盆期間には、八王子JCT付近で驚くべき渋滞が起きました。8月10日（木）9時50分頃をピークに、圏央道内回りの八王子JCT付近で発生した48.9kmの渋滞が全国で最長でした。原因は「交通集中および緊急工事」とされています。また、11日（金）にも、外回りの八王子JCT～八王子西IC間でトンネル内火災が発生し一時通行止めとなり、多くの人が立ち往生している様子も報じられました。
このように、八王子JCTはお盆期間における渋滞の最悪地点となりました。しかし、これは偶然ではなく必然だったと言えます。実は、八王子JCTは近年、混雑が激化している場所なのです。
その背景には、中央道下り線の相模湖IC付近を先頭とした激しい渋滞が影響しています。この渋滞は、相模湖出口車線が短く車線数が少ないことで起きています。このため、相模湖出口を目指す車が右側車線に詰まり、後続車両にも影響を及ぼしています。
この渋滞を解消するためには、相模湖出口車線を延長し車線数を増やすことが必要です。そこで現在、下りの相模湖出口車線を東京側へ約2km延長し、車線数を増やす（付加車線）ことでピンポイントに交通容量を増大させる工事が行われています。この工事は、2023年度中に完成する予定です。
この工事が完成すれば、相模湖出口の渋滞が緩和されるとともに、八王子JCTの渋滞も改善されると期待されます。しかし、それだけでは不十分かもしれません。圏央道は、首都圏の交通網の一部として、今後も利用者が増える可能性があります。そのため、八王子JCTの渋滞対策は、今後も継続的に行われる必要があるでしょう。
八王子JCTは、お盆期間における渋滞の最悪地点になりました。その理由は、中央道と圏央道の交通量の多さと、相模湖出口の渋滞の影響にありました。現在、相模湖出口車線の延長工事が進められていますが、それだけでは不十分かもしれません。八王子JCTの渋滞対策は、今後も継続的に行われる必要があると考えられます。
